Gum Print Process
ゴム印画法
1856年英国人のジョン・ポンシーによって初めて発表された処方であったが、当時はあまり利用されていなかった。
その後、コロジオン湿板のネガティブの発明でアルバミン紙に人気がでてき、次に、プラチナプリントが大変もてはやされた同時代の
1896年頃から、ガラス乾板のネガティブと相まってこのガムプリントはビクトリアリズム(写真的な絵画表現)に利用されて有名になった。
マット紙の上にガムプリントの乳剤を塗布して、光りのよって乳剤を感光させて柔らかいプリント画像を定着させた。
今までの写真の色調(セピア・白黒)などの色から変わって、豊富な色彩で表現されるようになってきたので、大人気を博した。
当時多くの画家たちが、写真を利用して絵を描いた。
ドガの踊り子などの、あの構図、表現などは、写真を基に作られたことでも有名である。
ガムプリントはピグメント印画法のひとつである。
一般的に日本では、この処方にアラビアゴムを使うことによって、ゴム印画法と呼ばれ、おおくの写真家に愛されてきた処方である。
ガムプリントでは、プリント画像はどのような色にでも、絵の具、顔料を使うことによって表現できるが、他の乳剤プロセスに比べ、階調性、粒状性においてやや不満がのこる。
プリント画像はシルクスクリーン版画やリトグラフのような表現になる。
乳剤は大変安価せあり、無酸紙と水彩絵の具、顔料などで画像が作られる為に、永住保存性は大変よい。
ガムプリントは簡単な処方であり、手軽にプリント画像は現れてくるが、質の高いプリントを仕上げるのにはかなりの熟練がいる。
紙は上質紙(平滑面紙)よりも少し粗い目の紙質の方が、絵画的タッチの美しい画像になる。これがガムプリントの特徴でもある。
押せば写る写真に物足りなさを感じている方に、この方法は一度試してみる価値がある技法の一つであると確信している。