blue print process
青写真
1842年ハーセルによって、このプリントの処方は発表されたものであるが、この本で紹介するのはオリジナルの処方ではないが
一番簡単で安価な手作り写真で、最初に試みるのには最適な処方である。
手作り写真のほとんどは、まだ電気が発明されていなかった時代に発明されているため、全ての処理作業は太陽光のもとで行われていた。
暗室は電気がなかったので明かり取りの窓に濃い黄色か赤色のカーテンをしてセーフライトの代わりに使っていた。または赤いガラスを窓にはめ込んで使用していた。
コロジオン湿板時代の写真撮影には、食料、食器などの生活費必需品のほかにカメラ一式、暗室、薬品、紙などすべてを馬車に積み込んで撮影に行った。
撮影目的地に着くと、まず、暗室テントを組み立て、テントの中で薬品を調合し乳剤を作った後に、ガラス板の上に乳剤を塗布し、湿ってる間にカメラの中にセットして露光する。露光済のコロジオン湿板をその暗室テントですぐに現像し、定着液にいれてネガティブの画像を定着させていた。そして水洗いし、乾燥したネガティブと、紙の上に乳剤を塗布したプリント用印画紙もテントの中で自作して、太陽光の下でネガと密着露光しプリントを作っていた。水のない撮影地なら、水まで馬車で持ち運ばねばならなかった。
今から考えると大変な苦労があったに違いない。
その先人達のやってきた苦労の一端を、手作り写真を作ってみることによって、味わってみることができる。
デジタルの現在忘れかけられている手作り写真のたのしさ、画像が出てくるときの感動を体験することができる。